本屋と二次元のはざまブログ

とりとめのない備忘録

漫画の感想「碧いホルスの瞳」

お久しぶりです。うんちょすです。

今回はずっと書こう書こうと思っていた漫画の感想を書きたいと思います。

ネタバレ含む。

 

「碧いホルスの瞳」:犬童千絵

 

買った動機はと言いますと、表紙です。

BEAM COMIXの表紙買い率は異常。

古代エジプトの衣装に身を包んだ女性(主人公のハトシェプスト)の凛とした眼差しに捕まってしまい、「あ~~これは買いだわ」と即決。レジへ運ばれたのでした。

 

そして次に、古代エジプトが舞台ということ。

「辺獄のシュヴェスタ」「ひとはけの虹」もですが、歴史漫画(?)にとても弱いのです。歴史漫画というか、舞台が現代じゃなくて雰囲気が良い漫画が好きなのかもですが。

 

あらかじめことわっておきますが、古代エジプトの知識はほぼございません。

クレオパトラとツタンカーメンくらいしか知らないレベルです。あと神話は少し知ってるくらい(遊戯王)。

持っている古代エジプトっぽい知識は「ファラオの墓」(作:竹宮惠子)と「王家に捧ぐ歌」(宝塚)で構成されています。

 

さて、まずはあらすじです(by 公式サイト)。

現代から約3500年前、古代エジプト。男性が王座につくことが当たり前だった時代に、女ファラオとして国を治めたハトシェプストという人物がいた。“男装の女王”と謳われるほど、強く気高く生きた彼女の激動の生涯、その幕が、いま上がる! 新鋭・犬童千絵が鮮やかに描き出す、古代エジプトの風景とそこに暮らす人々、そして自ら運命を切りひらいたひとりの女性。漫画誌ハルタで連載中のヒストリカル・ロマン、待望の第1巻!

 

一巻はハトシェプストの少女時代から、王妃として即位するまでが描かれています。

ハトシェプストは、現ファラオの長女でかなり男勝りな少女。男子のように武術の稽古をして、ファラオとして国を治めることを夢見ますが、女性が王家の正統継承権を持つことは、軍国の気運高まるエジプトではもはや形だけのものとなっていた。

結局ハトシェプストはおてんばを改めて女性らしさを身につけ、おとなしく王妃となりますが、それは周囲を欺くための芝居。王妃になれば、国を統治する名目はできるわけなので、ハトシェプストはそれを狙ったのです。

ファラオのセディ(トトメス二世)との対立や、今後王宮で起こるであろう権謀術数がどう描かれていくのか、楽しみです。

 

異母兄であり夫のファラオ・セディ、元踊り子の侍女・タビア、そして今後ハトシェプストの右腕となるであろう書記官のセンムト。登場するキャラクターも魅力的です。

特にセディは偉そうで、調子乗るし、傲慢で女好きなDQNみたいな奴なのですが、なぜか憎めない。どことなく小物感があるのが愛嬌を感じさせるのかも(笑)。史実のトトメス二世の治世はわかりませんが、ちょっと王様としてはしちゃだめでしょ~みたいなことをドヤ顔でやってのけたので、今後どうなるのか。事実センムトのような人はかなり王を軽蔑していますからね。

ハトシェプストが少女時代に、女性らしさを身につけるために街から連れてきたのが踊り子のタビアちゃん。めちゃくちゃカワイイです。ハトシェプストの一番の理解者で、絶大な信頼を寄せています。というか、タビアちゃん、ハトシェプストのこと好きなの?美味しいからいいけど。

そして勝手に脳内CVが森川智之さんになっているセンムト(たぶん外見が戦国B●SARAの小十郎に似てるからだと思う)。これからどうハトシェプストの力となっていくのか、楽しみです。主従関係を超えた禁断の恋が芽生えちゃったりするのか!?しないのか!?

 

作画◎、古代エジプト感も◎、巻末のおまけも充実していて、絵的には全く言うことなし。

「女にはできない」「男を見返すぞ」っていう主張がたまに気になることがあって、王妃が主人公だから仕方ないんでしょうけれど・・。女性らしさも身につける・・って女子力アップか何かか?

ハトシェプストの動機や行動が現代っぽいところが少々残念なところ。

ですが、それは気にならない程度なので、古代エジプト感を味わいたいですっていう人には読んでほしいです。

 

ファラオの墓」のあとがきか何かで竹宮惠子先生も仰ってましたが、古代エジプト人ってすごくおしゃれだったんですね。出土品とか見ても金ピカだし、アクセサリーもすごい充実っぷり。かつらもたくさんあったんだとか。

ハトシェプストだけでなく、侍女たちのファッションも見どころです。

 

 エジプトつながりで猛烈に宣伝するゾ。

ファラオの墓 (1) (中公文庫―コミック版)

ファラオの墓 (1) (中公文庫―コミック版)

 

 竹宮先生は大好きな漫画家です。少年愛をテーマにした「風と木の詩」が有名ですが、「地球へ…」などのSFや、「ファラオの墓」のような歴史を題材にした漫画も描かれています。

ファラオの墓はエジプトを舞台にした架空の物語ですが、亡国の王子・主人公サリオキスの成長と、妹ナイルキアと敵国の王子スネフェルの悲恋など、ウン十年前の少女漫画ですが血沸き肉踊ります。明るい話ではありませんが。

 

 6月に見た宝塚。

 大好きなまぁ様(朝夏まなと)のお披露目公演ってことで見に行きました。衣装がキンキラキンで眩しかったです。

 

それではこのへんで。