最近買った本・漫画
お久しぶりです。生きてます。
最近また物欲の高まりがすごくて、ポンポン本を買ってしまいます。
それぞれに長く感想を書く余力がないので、自分用の買ったリストを兼ねて投稿します。
コミック
★★★★
雰囲気がとても好き。絵は淡白で無味乾燥といった印象だけど、登場する異星体が妙に生々しい。実際に居そう。ラスト後どうなるのかは、読み手に託されている。
★★★
柳沢教授が好きだった&試し読みの雰囲気が好みだったので。2巻まで買った。
民俗学的ホラー・・?と言ったらいいのだろうか。もしかしたらディストピアものなのかも・・?まだまだわからないことが多いが、不気味さはよく感じる。
★★★
皆さんご存知「巌窟王」のコミカライズ。まさかの一巻完結。
原作は読んだことがないが、「かなり忙しい人のための巌窟王」という感じ。
作者がとにかくエデが大好きだということは伝わってきた。エデ萌え漫画。(実際可愛い)
★★★★★
原作&OVAのファンなので。毎週YJも楽しみに読んでいる。
双璧はいつ出ますか・・?
★★★★
表紙買い。ヅードという謎の生き物と戦う辺境の基地の話。
装丁がおもしろいので、ぜひ現物を見てほしい。まだ物語が始まったばかりだけど、これからどうなるのか、ヅードってなんなのか明かされていくのがとても楽しみ。
★★★
鬼頭先生の漫画は「なるたる」で止まっているので久しぶりに読んだ。まだ世界観や国同士の関係が全然わからないので、???のまま終わってしまった。読み込みが足りないんだと思うので、続きを楽しみに待つ。
アンゴルモア 元寇合戦記(5)<アンゴルモア 元寇合戦記> (角川コミックス・エース)
- 作者: たかぎ七彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: Kindle版
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★★★★
最新刊待ってました。対馬で実は生きていたというあの人が出てきたり、元も一枚岩じゃなかったり、ワクワク。刀伊の人たちのデザインが好き。マニアックな時代・分野が扱われているだけでも嬉しいのに、かなり綿密に調べたうえで描かれているなあと感じる。とても嬉しい(二度目)。
★★★★★
ジョルジュとギデオンとの間に、まだ大きな、そして残酷な秘密があった。そんなまさか・・。こう来るとは思っていなかった。ジョルジュの思想にも納得。ギデオンの娘も巻き込んで、二人の溝がどんどん広がっていくのを感じる(溝を作っているのはジョルジュのほうだけど)。続きが待ち遠しい。サン=ジュストくん結構好き。
★★★★
伴善男、つよい。道真も、藤原家や伴家といった貴族たちの派閥を意識せざるを得なくなってくる。でもまだ一方を振り払ってしまうほどの勇気と力はない。歴史を知っている以上、善男や道真がああいうことになるのはわかっているんだけど、どう描いていくのか興味深い。そろそろドラマCD付き限定版とか出そう・・。
★★★★
一巻より更にぶっ飛んでいる。サーシャの過去が少しだけ明らかになった。辰美さんはルーさんと親戚だと思うけど、絡んだときどうなるのだろう・・・。少年時代のルーさんがめちゃくちゃかわいかった。相変わらず笑えばいいのかわからないシーンが多いけど、最後のクマに乗るプーチノフ漫画は爆笑した。笑顔の絶えない職場ですって感じだった。
さっきから★4ばっかでどうなんだという感じだけど、元々★1はほぼないし、★5までいくのもなかなかないので・・。★はあんまり参考にしないでください(今更)。
小説
この前アニメ版がニコニコ動画で一挙放送されていたので、これを機に原作を購入。
脱落者が多かったらしいけど、あのどんどん面白くなる感じがたまらないのに・・。作画がどうとかよく言われているが、正直そんなに崩壊してるとは思えない。1990~2000年代アニメのほうがよっぽどひどかったじゃないか・・。
アニメと小説、両方が補完しあっていて良かった。文字だけではわかりづらいことが、アニメでイメージを掴むことができたり、逆にアニメで説明不足だったところが、小説でわかったり。悪鬼や業魔の登場シーンは、アニメも小説も同じくらい怖い。
エロ描写が無駄に詳しいので、苦手な人は飛ばそう。
文芸書
寝る前に一章ずつ読んでいる。胸を打たれる一文があった。きっとしばらく忘れないと思う。元々星座とか好きで、小さい頃よく星座の本を読んでいた。今住んでる家の辺りは暗いので、結構夜は星がきれいに見える。星空がもっと好きになれる本だなあと思うし、無性にプラネタリウムに行きたくなる。
他にも色々買ってるんですけど、ひとまずここまで。
今週はゴールデンカムイの最新巻が出るので楽しみです。
あと「ハーモニー」のBDが届きました。ハーモニーについては百合的にもディストピア好き的にもたくさん書きたいので、改めてエントリしたいです。
漫画の感想「碧いホルスの瞳」
お久しぶりです。うんちょすです。
今回はずっと書こう書こうと思っていた漫画の感想を書きたいと思います。
ネタバレ含む。
「碧いホルスの瞳」:犬童千絵
碧いホルスの瞳 -男装の女王の物語- 1 (ビームコミックス)
- 作者: 犬童千絵
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2015/09/14
- メディア: コミック
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買った動機はと言いますと、表紙です。
BEAM COMIXの表紙買い率は異常。
古代エジプトの衣装に身を包んだ女性(主人公のハトシェプスト)の凛とした眼差しに捕まってしまい、「あ~~これは買いだわ」と即決。レジへ運ばれたのでした。
そして次に、古代エジプトが舞台ということ。
「辺獄のシュヴェスタ」「ひとはけの虹」もですが、歴史漫画(?)にとても弱いのです。歴史漫画というか、舞台が現代じゃなくて雰囲気が良い漫画が好きなのかもですが。
あらかじめことわっておきますが、古代エジプトの知識はほぼございません。
クレオパトラとツタンカーメンくらいしか知らないレベルです。あと神話は少し知ってるくらい(遊戯王)。
持っている古代エジプトっぽい知識は「ファラオの墓」(作:竹宮惠子)と「王家に捧ぐ歌」(宝塚)で構成されています。
さて、まずはあらすじです(by 公式サイト)。
現代から約3500年前、古代エジプト。男性が王座につくことが当たり前だった時代に、女ファラオとして国を治めたハトシェプストという人物がいた。“男装の女王”と謳われるほど、強く気高く生きた彼女の激動の生涯、その幕が、いま上がる! 新鋭・犬童千絵が鮮やかに描き出す、古代エジプトの風景とそこに暮らす人々、そして自ら運命を切りひらいたひとりの女性。漫画誌ハルタで連載中のヒストリカル・ロマン、待望の第1巻!
一巻はハトシェプストの少女時代から、王妃として即位するまでが描かれています。
ハトシェプストは、現ファラオの長女でかなり男勝りな少女。男子のように武術の稽古をして、ファラオとして国を治めることを夢見ますが、女性が王家の正統継承権を持つことは、軍国の気運高まるエジプトではもはや形だけのものとなっていた。
結局ハトシェプストはおてんばを改めて女性らしさを身につけ、おとなしく王妃となりますが、それは周囲を欺くための芝居。王妃になれば、国を統治する名目はできるわけなので、ハトシェプストはそれを狙ったのです。
ファラオのセディ(トトメス二世)との対立や、今後王宮で起こるであろう権謀術数がどう描かれていくのか、楽しみです。
異母兄であり夫のファラオ・セディ、元踊り子の侍女・タビア、そして今後ハトシェプストの右腕となるであろう書記官のセンムト。登場するキャラクターも魅力的です。
特にセディは偉そうで、調子乗るし、傲慢で女好きなDQNみたいな奴なのですが、なぜか憎めない。どことなく小物感があるのが愛嬌を感じさせるのかも(笑)。史実のトトメス二世の治世はわかりませんが、ちょっと王様としてはしちゃだめでしょ~みたいなことをドヤ顔でやってのけたので、今後どうなるのか。事実センムトのような人はかなり王を軽蔑していますからね。
ハトシェプストが少女時代に、女性らしさを身につけるために街から連れてきたのが踊り子のタビアちゃん。めちゃくちゃカワイイです。ハトシェプストの一番の理解者で、絶大な信頼を寄せています。というか、タビアちゃん、ハトシェプストのこと好きなの?美味しいからいいけど。
そして勝手に脳内CVが森川智之さんになっているセンムト(たぶん外見が戦国B●SARAの小十郎に似てるからだと思う)。これからどうハトシェプストの力となっていくのか、楽しみです。主従関係を超えた禁断の恋が芽生えちゃったりするのか!?しないのか!?
作画◎、古代エジプト感も◎、巻末のおまけも充実していて、絵的には全く言うことなし。
「女にはできない」「男を見返すぞ」っていう主張がたまに気になることがあって、王妃が主人公だから仕方ないんでしょうけれど・・。女性らしさも身につける・・って女子力アップか何かか?
ハトシェプストの動機や行動が現代っぽいところが少々残念なところ。
ですが、それは気にならない程度なので、古代エジプト感を味わいたいですっていう人には読んでほしいです。
「ファラオの墓」のあとがきか何かで竹宮惠子先生も仰ってましたが、古代エジプト人ってすごくおしゃれだったんですね。出土品とか見ても金ピカだし、アクセサリーもすごい充実っぷり。かつらもたくさんあったんだとか。
ハトシェプストだけでなく、侍女たちのファッションも見どころです。
エジプトつながりで猛烈に宣伝するゾ。
竹宮先生は大好きな漫画家です。少年愛をテーマにした「風と木の詩」が有名ですが、「地球へ…」などのSFや、「ファラオの墓」のような歴史を題材にした漫画も描かれています。
ファラオの墓はエジプトを舞台にした架空の物語ですが、亡国の王子・主人公サリオキスの成長と、妹ナイルキアと敵国の王子スネフェルの悲恋など、ウン十年前の少女漫画ですが血沸き肉踊ります。明るい話ではありませんが。
6月に見た宝塚。
宙組宝塚大劇場公演 グランド・ロマンス 『王家に捧ぐ歌』 ―オペラ「アイーダ」より― [Blu-ray]
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- 発売日: 2015/08/20
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大好きなまぁ様(朝夏まなと)のお披露目公演ってことで見に行きました。衣装がキンキラキンで眩しかったです。
それではこのへんで。
漫画の感想「ひとはけの虹」
こんばんは、うんちょすです。
今回は、以前の記事でも少し紹介した「ひとはけの虹」の感想を書きたいと思います。
「ひとはけの虹」(作:Cuvie)
コミック裏のあらすじによれば「画家とそのミューズたちによる絵画譚」です。
いわゆるオムニバス形式の漫画で、一枚の絵に纏わる画家とミューズの物語が描かれます。
クラナッハ、カラヴァッジョ、ベラスケスなど、著名な画家も登場します。
各話には美の探求者(とある有名な画家です!)が「神の石」を携えて登場します。
彼はあらゆる時代、国をめぐって、画家に「神の石」を渡します。
画家の技術、そして「神の石」がキーアイテムとなって、絵に描かれた女性美は燦然と輝く――。
基本的に一話完結なので、読みやすいです。各話の時代や国はバラバラですが、美の探求者という存在を置くことで、一貫性を持たせています。
オビにもある通り、登場する国と時代は
第一話:16世紀ドイツ(クラナッハ)
第二話:17世紀オランダ
第三話:17世紀イタリア(カラヴァッジョ)
第四話:17世紀スペイン(ベラスケス)
第五話:19世紀イギリス(ミレー、ホイッスラーなど)
です。
中でもお気に入りなのは、第四話「Bloody Spiral」。
宮廷画家ベラスケスは、王女の縁談のため、肖像画を描いていた。しかし、胸のペンダント「ステラ・クルセンタ」の妖美な赤をどうしても描くことが出来ず、苦悩していた。ステラ・クルセンタは妃の一族に伝来したものだという赤い宝玉であった。さらに肖像画を製作しはじめてから、ベラスケスの夢に謎の女が現れるようになり・・・。
画家の苦悩、そしてペンダントの謎、政治利用のため婚姻させられる女性たちの悲憤などが、バランスよく描かれています。
芸術作品に興味がある、という方にはおすすめです。
あと作者のCuvie先生の描かれる男女が麗しくて目の保養になるので、先生の絵がお好きなら損はないのではないでしょうか。
調べたところ、エロ漫画からバレエ漫画まで幅広く描かれている作家さんで、なるほどだから女の子の身体が官能的なんだなと勝手に納得してしまいました(笑)。
「ドロテア―魔女の鉄槌」の作者さんだったんですね。大昔に読みましたがすごく好きでした・・。
カバー裏や各話の終わりに画家についての紹介コーナーもあり、勉強にもなりますよ。
私は西洋美術が好きなので、「どんな漫画なんだろう!?」と気になって購入しました。完全に表紙買いです(笑)。表紙買いってガッカリすることも多いんですが、大当たりでよかったです。
クラナッハの絵はよく知らなかったので調べてみました。
世界史の教科書に載ってるルターの肖像画、クラナッハが描いたものだったんですね・・・(友人だったそうです)
私はミュシャ、クリムト(完全にエルフェ●リートの影響)、フラゴナール、ブグローとかが好きです。そのうち出てくれたら嬉しいな・・・。
西洋美術については、だいぶ前に↑を買って読みました。
特に「愛」について述べられています。神話から結婚、禁じられた愛、同性愛まで、様々なテーマが絵画作品と共に書かれています。とても勉強になりました。近々再読したい。
最近出たこの文庫もなかなかおもしろかったです。西洋美術に限らず、広く「絵画史」で様々なモチーフが取り上げられています。各モチーフ見開き2ページほどで、絵画作品もカラーで載ってます。太っ腹!
店に2しか置いてなかったので、1もちゃんとそろえたい・・。
気になるところで続いたので、次巻が待ち遠しい!
連載雑誌の「ネメシス」のラインナップが、「ベアゲルター」「ゴロセウム」って・・。雑誌ごと買いたいけどお金がないので我慢ガマン。ゴロセウムも気になってるので読みたいな~・・。
大人買いという贅沢
今後紹介したいと思っている漫画を挙げたいと思います。
あと、気になってる漫画。
はてなブログ三日目くらいなので、未だに機能がよくわかってないのですが、アマゾンの貼り付け機能なんてあるんですね。さっそくさっきの記事を編集してきました。すごい。
・ひとはけの虹
絵がすごく上手いな~と思って調べたら、美少女漫画(R18)家さんだった。そういえばま●だらけの男性向けゾーンにたくさんあった気がする。名画に纏わる色という題材がすごく好きです。芸術・絵画と、その同時代が好きなら一見の価値ありです。 ラファエルくん好き。
・軍靴のバルツァー(~7巻)
この前6、7巻を買い足しましたが、おつむが弱いのでそろそろちゃんと読み返さないといけない・・・。こんがらがってきた。架空戦記ものといったらいいんでしょうか。近代化しつつあるヨーロッパ風の世界観の話です。ヘルムートちゃん可愛い。
・応天の門(~3巻)
平安時代大好きマンとしては見逃せなかった。道真の時代なんて目立った戦乱もないので、漫画としては動きがなくて書きにくいのでは?と思ったけど、うまく事件発生!→解決! の流れを作っているなと思った。
・パレス・メイヂ(~4巻)
普段血なまぐさいのばっかり読んでるので、少女漫画がすごく新鮮に感じました。架空の明治っぽい時代が舞台の、少女帝と少年侍従のお話。主従関係サイコー!
・アンゴルモア(~3巻)
元寇が舞台なんてすごく珍しくて、それだけで買う価値あります。なかなかに血なまぐさく、骨太。歴史漫画好きなら読む価値大有りです。
アンゴルモア 元寇合戦記(1)<アンゴルモア 元寇合戦記> (角川コミックス・エース)
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・ゴールデンカムイ(~4巻)
ついこの前4巻が出ました。すでに色んなところでレビューがあると思いますが、アイヌグルメ漫画としても、アクション漫画としても面白いです。 レタラとかリュウとか、生き物も可愛い。
・ブラッドハーレーの馬車
沙村広明先生のことはこの漫画で知りました。そして、大ファンになりました。
大ッッッッッッッッッッッッッッッッ好きな漫画ですが、決して軽い気持ちで読まないほうがいいです。 しばらく落ち込む。
↑もしかしたら詳しく感想書くかもしれませんし、ここで挙げるだけにするかもしれません。
読んでみたい漫画はぶっちぎりでキングダムです。
最近、じわじわと数巻ずつ売れるんですよね。古代中国は基本三國無双と断片的な横光三国志の知識しかないんですが(ダメダメだろう)、絶対おもしろいやろこれ。でももう38巻も出てるから集める気力ががが・・・
大人買いしたい・・・。
さて、明日はどんなコミックが出るんでしょう!
品出しのときにチェックするのが密かな楽しみです。(そして、物欲が高まる)
漫画の感想「辺獄のシュヴェスタ」
こんばんは、うんちょすです。
クーラーがなくてもなんとか日中を過ごせるようになったので、少しずつ秋に近付いているのかなあと思うと嬉しいです。このまま早く秋になれ。
さて、今回は前回の最後に言ってた漫画の感想を書きたいと思います。
「辺獄のシュヴェスタ」(作:竹良 実)
発売日は6/17なのですが、とても面白かったので感想を書きたいと思います。
舞台は16世紀のヨーロッパ、魔女狩りの時代。
魔女狩りによって天涯孤独となった主人公の少女・エラの復讐劇です。
魔女の子どもたちだけが集められる修道院『分水嶺』で、少女たちに行われる『奇跡』。
その秘密を知ったエラ、カーヤ、ヒルデの三人は、絶大な権力を誇るどう修道会に立ち向かっていくのか。そして、修道会を率いる総長・エーデルガルトの目的とは?
この作者さん、これが初連載とのことですが、とにかく綿密に取材をしているように思います。中世ヨーロッパという時代の雰囲気が一コマ一コマから伝わってきます。
ただ、拷問の描写、修道院内での鞭打ちとかその他諸々も結構ガッツリ描かれているので、少しグロ耐性があったほうがいいと思います。
生まれ変わるんだったら絶対避けたい時代BEST3に入る中世ヨーロッパ。餓死もペストも怖いし宗教戦争とかもっと怖い。
同時代を舞台にした映画・小説といえば、私は「薔薇の名前」くらいしか見たことがないのですが、あの映画で修道院という場所がいかに閉鎖的であるか思い知らされました。
「薔薇の名前」の修道院は、確か山の中だった気がします。あと全然中世ヨーロッパじゃないんですけど、山の中の修道院を舞台にした小説に「展翅少女人形館」*1というものがあります。
話が逸れましたが、「辺獄のシュヴェスタ」の修道院も二つの川の分水点である「黒い森」の峰の中にあり、それゆえ『分水嶺の城』と呼ばれています。巡礼者も訪れるとのことですが、おそらくそんなに便利なとこにはないでしょう。
そして教会内で行われる『奇跡』。立地的にも環境的にも、その仕組を隠すことや、もみ消しも簡単にできるわけです。
閉鎖的な場所、環境で行われる「秘密」の「隠蔽」は、何も漫画の中の話だけではありません。現実社会でもフツーに起こり得ることですよね。道理的には正しいことが歪められて、本来は「おかしい」ことがまかり通ってしまう。大多数の人はその場の空気を読んで受け入れてしまうけど、それに歯向かい、反抗の機会を虎視眈々と狙う人が一人くらいはいる。
それが、この漫画におけるエラなんだと思います。
作者さんは巻末コメントで「読むとなんだか強気になれる」漫画にしていけたら、と仰っています。エラくらいまでいくと強気どころじゃなく狂気すら感じますが、勇気はもらえると思います。
実際、ネズミを木の杭の罠で串刺しにしたり、ケンカ売ってきた悪ガキをガチで殺そうとしたり、自らを壊死寸前に追い込んだり、そんな溢れる行動力を持った主人公です。ただ、エラの激しい行動は全てに理由があります。本能的に暴れてるのではありません。彼女なりの哲学を持ってやっている。こういうところがすごく好きです。ぜひ復讐を遂げてもらいたいですが、どうなるんでしょう・・・。
ちなみに、キャラクターだとちょっとドジっ子なヒルデが好きです。かわいい。死なないでほしい(切実)。キャラデザだと完全にカーヤとエーデルガルト様が好みです。
魔女狩りに興味のある方にはもちろん、歴史ものが好きな方にはぜひおすすめしたい漫画です。日本でもヨーロッパでもいいから骨太な歴史漫画が読みたい!と思っていた私には大満足な漫画でした。
スピリッツの公式サイトに第一話の試し読みがあるので、ぜひ読んでみてください。
次巻は11月とのことで、今から待ち遠しいです!
予約しておこう。