漫画の感想「ひとはけの虹」
こんばんは、うんちょすです。
今回は、以前の記事でも少し紹介した「ひとはけの虹」の感想を書きたいと思います。
「ひとはけの虹」(作:Cuvie)
コミック裏のあらすじによれば「画家とそのミューズたちによる絵画譚」です。
いわゆるオムニバス形式の漫画で、一枚の絵に纏わる画家とミューズの物語が描かれます。
クラナッハ、カラヴァッジョ、ベラスケスなど、著名な画家も登場します。
各話には美の探求者(とある有名な画家です!)が「神の石」を携えて登場します。
彼はあらゆる時代、国をめぐって、画家に「神の石」を渡します。
画家の技術、そして「神の石」がキーアイテムとなって、絵に描かれた女性美は燦然と輝く――。
基本的に一話完結なので、読みやすいです。各話の時代や国はバラバラですが、美の探求者という存在を置くことで、一貫性を持たせています。
オビにもある通り、登場する国と時代は
第一話:16世紀ドイツ(クラナッハ)
第二話:17世紀オランダ
第三話:17世紀イタリア(カラヴァッジョ)
第四話:17世紀スペイン(ベラスケス)
第五話:19世紀イギリス(ミレー、ホイッスラーなど)
です。
中でもお気に入りなのは、第四話「Bloody Spiral」。
宮廷画家ベラスケスは、王女の縁談のため、肖像画を描いていた。しかし、胸のペンダント「ステラ・クルセンタ」の妖美な赤をどうしても描くことが出来ず、苦悩していた。ステラ・クルセンタは妃の一族に伝来したものだという赤い宝玉であった。さらに肖像画を製作しはじめてから、ベラスケスの夢に謎の女が現れるようになり・・・。
画家の苦悩、そしてペンダントの謎、政治利用のため婚姻させられる女性たちの悲憤などが、バランスよく描かれています。
芸術作品に興味がある、という方にはおすすめです。
あと作者のCuvie先生の描かれる男女が麗しくて目の保養になるので、先生の絵がお好きなら損はないのではないでしょうか。
調べたところ、エロ漫画からバレエ漫画まで幅広く描かれている作家さんで、なるほどだから女の子の身体が官能的なんだなと勝手に納得してしまいました(笑)。
「ドロテア―魔女の鉄槌」の作者さんだったんですね。大昔に読みましたがすごく好きでした・・。
カバー裏や各話の終わりに画家についての紹介コーナーもあり、勉強にもなりますよ。
私は西洋美術が好きなので、「どんな漫画なんだろう!?」と気になって購入しました。完全に表紙買いです(笑)。表紙買いってガッカリすることも多いんですが、大当たりでよかったです。
クラナッハの絵はよく知らなかったので調べてみました。
世界史の教科書に載ってるルターの肖像画、クラナッハが描いたものだったんですね・・・(友人だったそうです)
私はミュシャ、クリムト(完全にエルフェ●リートの影響)、フラゴナール、ブグローとかが好きです。そのうち出てくれたら嬉しいな・・・。
西洋美術については、だいぶ前に↑を買って読みました。
特に「愛」について述べられています。神話から結婚、禁じられた愛、同性愛まで、様々なテーマが絵画作品と共に書かれています。とても勉強になりました。近々再読したい。
最近出たこの文庫もなかなかおもしろかったです。西洋美術に限らず、広く「絵画史」で様々なモチーフが取り上げられています。各モチーフ見開き2ページほどで、絵画作品もカラーで載ってます。太っ腹!
店に2しか置いてなかったので、1もちゃんとそろえたい・・。
気になるところで続いたので、次巻が待ち遠しい!
連載雑誌の「ネメシス」のラインナップが、「ベアゲルター」「ゴロセウム」って・・。雑誌ごと買いたいけどお金がないので我慢ガマン。ゴロセウムも気になってるので読みたいな~・・。